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2018年 医療技術等国際展開推進事業(ザンビア共和国 CT画像診断及び血管造影技術強化事業)

ザンビア共和国の最大の病院であるザンビア大学付属教育病院【The University Teaching Hospital (UTH)以下、UTH】は日本製のマルチディテクターCT(MDCT)と血管撮影装置を導入し、診療を行ってきましたが期待通りの成果を挙げることができずにいました。

昨年度はマルチディテクターCT(MDCT)の技術強化を行い、研修を経て、より精度の高い冠動脈CT検査等を施行可能な状態までスキルアップを図ることができました。

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そして、今年度の事業としては、血管撮影室での現地医師によるPCI(:percutaneous coronary intervention)冠動脈血管形成術の施行を支援する事前調査として現地に入りました。今後の予定としては、今回の事前調査を行い来年1月のUTHでのPCIの施行が最終目標となっています。今回はそのための事前調査として、UTHの血管撮影室が、冠動脈検査・治療を行う上で装置の状況、そして周辺機器が十分に検査を賄える状況にあるかの確認を行ってまいりました。

 

また、本年10月には、今度はザンビア共和国の放射線技師、看護師の研修生を国立国際医療研究センター病院(NCGM)に招聘して研修を行う為、現在の問題点や研修生が求めている課題もピックアップしてまいりました。

ザンビア共和国の現状として、人口動態と疾患の変化から今後、血管内閉塞治療のニーズが高まっていくことが推測されます。キャノンメディカル社の医療機器に見られるような日本の医療機器を使用し適切な日本の医療技術を駆使したアフリカへの医療貢献は現地での問題解決のみならず中長期的には日本の医療機器産業の振興にも繋がると思料されます。

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                  UTHのメディカルスタッフと接見し、感じた事は、自分たちが実施しているもしくは習得した技術が適切なのか不安に思っており、現在までに他国から派遣された医師による検査があり画像を確認をしましたが、撮影方法の設定にやや不適切なプロトコルが散見され、放射線被ばくに関する意識改革及び知識向上が必要と思われました。

その一方ザンビア人医療従事者側は正しい知識と技術を素直に学びたいという強い意欲に溢れておりました。

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また他装置の状況として、研修時にCT装置が故障中で、修理を行うにも、他国からエンジニアを派遣する為、相当な期間が必要な状態となっている現状や、核医学装置も撮影された画像を解析するソフトが故障中で、人材教育と同時に、装置の日常のメンテナンスやトラブル対応に関する知識の担保も必要なのではと感じました。
 

今後も、放射線診療部門では、さらなる技術強化を図り医療の質と安全の向上に寄与することを目的とし、培ってきた技術・経験を基に研修及び技術提供を行う事で、世界規模での技術交流及び人材育成を目標として行きます。

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救急撮影主任 若松