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日本人2例の重症持続型気管支喘息患者に対する気管支サーモプラスティ施行経験に基づいた報告

2015年8月11日

日本呼吸器内視鏡学会誌『気管支学』掲載

要旨

背景

重症喘息患者に対する非薬物療法として、気管支サーモプラスティが本邦でも2015年4月より保険適応となった。

症例

保険適応に先駆け、当院では2例の重症持続型気管支喘息患者に対し本治療を施行した。実臨床での気管支サーモプラスティ施行経験より、本治療の適応、実際の治療方法、及び手技上の注意点や問題点、短期的な合併症に関して報告する。当院での2症例では、術後合併症として、治療局所の喘鳴、浸潤影などが生じたが1週間以内には改善した。治療効果としては、自覚症状や呼吸機能の改善が認められた。

結論

本治療の日本人での短期的な有効性や安全性が確認された。今後は日本人での長期的な有効性や安全性の検証が必要である。

研究の背景

これまでの気管支喘息の治療は薬物療法のみであった。気管支サーモプラスティ(BT)は重症喘息患者に対する非薬物療法として、2015年4月より保険適応となった新規治療法である。米国では、2010年より既にFDAに承認されていて5年以上の歴史がある。アジアでも中国や韓国では日本より早期に導入されている。ようやく今年になり、本邦でもBT治療が可能となった。勿論、これまでに日本人喘息患者での治療報告はない。

本研究の概要・意義

当院では全国に先駆けて日本人2症例のBT治療を施行し、短期的には自覚症状や呼吸機能の改善などの治療効果が認められ、比較的安全にBT治療が施行できた。日本人でのBT治療の有効性、安全性に関しての報告は初めてであり重要である。日本では、2013年の時点でも未だに1728人の喘息死が計上されており、喘息医療費高騰の原因は重症喘息患者の治療費にあり、喘息死回避のためにも重症喘息患者に対する新規治療法の導入は有用である。保険適応となっていても多くの喘息患者にはまだ知られていない治療法であり、難治性喘息患者の治療法の選択肢の一つとして、新規非薬物療法である気管支サーモプラスティを提供したいと考えている。

Effects of bronchial thermoplasty on two patients

Patient   1BeforeAfter BT1After BT2After BT3
ACQ 1.8 1.6 0.8 0.6
FEV1 (L) 1.75 1.82 1.82 1.87
mPEF (L/min) 470 610 580 580
Patient 2 Before After BT1 After BT2 After BT3
ACQ 1.0 0 0.6 0
FEV1 (L) 1.90 2.61 2.73 2.79
mPEF (L/min) 370 470 430 500

BT: bronchial thermoplasty, Before: one week before BT treatment, After BT1: 3 weeks after the first BT treatment, After BT2: 3 weeks after the second BT treatment, After BT3: 3 weeks after the final BT treatment, ACQ: Asthma control questionnaire, FEV1: forced expiratory volume 1 second, mPEF: morning peak expiratory flow

今後の展望

8月11日現在、当院では7名の重症喘息患者に対してBT治療を施行している。日本人での長期的な有効性や安全性に関してはまだ分からないため、今後の検証が必要である。

発表雑誌

雑誌名:気管支学 第37巻4号 p450-457
論文名:日本人2例の重症持続型気管支喘息患者に対する気管支サーモプラスティ施行経験に基づいた報告
掲載日:日本時間8月11日発行済み

参照URL

日本呼吸器内視鏡学会ホームページ(http://www.jsre.org/journal/search/index.html)

本件に関するお問合せ先

国立国際医療研究センター病院
責任著者役職名:第五呼吸器内科医長
氏名:飯倉 元保(いいくらもとやす)
電話:03-3202-7181(内線4365)
FAX:03-3207-1038
E-mail:iimotoya@hosp.ncgm.go.jp
〒162-8655 東京都新宿区戸山1-21-1

取材に関するお問合せ先

国立国際医療研究センター 企画戦略局 広報企画室
広報係長:三山 剛史(みやま つよし)
電話:03-5273-5258(直通) <9:00~17:00>
E-mail:tmiyama@hosp.ncgm.go.jp