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肺感染症

肺感染症とは

細菌、真菌(カビの仲間)、ウイルス、寄生虫などの微生物が肺に感染、増殖し、肺に傷害をあたえる病気をいいます。肺炎の「炎」は炎症を意味し、私たちの体が病原体と戦う反応によって特徴づけられます。その代表が肺炎です。

どんな微生物が肺に炎症を起こしているかで更に細かく呼び名がついており、細菌なら細菌性肺炎、ウィルスならウィルス性肺炎、結核菌なら肺結核、真菌なら肺真菌症などと呼びます。

細菌性肺炎

細菌性肺炎すなわち細菌による肺炎の場合は、細菌が肺の中で増殖し、肺を破壊しようとするのに抵抗して、私たちの体では白血球などの免疫細胞が菌を食べて壊したり、仲間の細胞を呼び寄せたりして組織的に戦います。こうして起こる炎症の結果、私たちは、熱、咳、痰、だるさなどの症状を呈します。

さらに菌が優勢になれば、広い範囲の肺が傷害され、肺の重要な機能である「空気中の酸素を血液中に取込むこと」が十分にできなくなり、私たちは息苦しさを感じるようになってしまいます。これがいわゆる呼吸不全と呼ばれる状態です。

肺感染症の治療

最も重要なことは、肺炎の原因となっている微生物を特定し、その微生物を倒すことです。原因微生物が、細菌、ウイルス、真菌のいずれかによって、有効な治療薬は異なります。原因微生物の見極めは必ずしも容易ではなく、いつでも分かるわけではありませんが、適切な治療薬を使用し、必要な場合は、酸素やその他の薬剤など併用しながら治療します。

診療実績

高齢者社会の到来とともに、肺炎で入院する患者さんの数は増えています(平成25年度240名)。
肺癌や肺気腫など肺に疾患をかかえた患者さんや免疫を抑える薬を使用中の患者さんの肺炎も、多く診療しています。当科では、肺炎の原因微生物の同定に力を注ぎつつ、速やかな治療の開始と適切な治療薬の選択を実践しています。

また、当センターには結核病棟があることから、入院、外来を問わず肺結核の患者さんの診療も積極的に行っています。肺結核が治った後に起こる、非結核性抗酸菌症や肺真菌症(肺アスペルギルス症など)の患者さんが多いのも当科の特徴の1つです。非結核性抗酸菌症や肺真菌症は一般に治療が難しい肺感染症ですが、抗菌薬による治療のほか、呼吸器外科との連携による外科療法、放射線科との連携による喀血時の血管塞栓術など、総合病院の利点を活かした幅の広い診療を行っています。

また、近隣のみならず、幅広い病診連携(逆紹介)、病院連携のネットワーク構築を目指し、人工呼吸器をはじめとした全身集中管理を要するような重症患者さんの救急対応も効率よく行えるよう体制を整えています。