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肺癌

肺癌とは

日本で2011年に新たにがんと診断された人は851,537名(男性496,304名、女性355,233名)と推計されています。その部位は順に胃・大腸・肺と肺癌は3番目に多く(男性では2位、女性では4位)なっています。2013年のがん死亡は364,872名(男性216,975名、女性147,897名)と推計され、死亡数が多い順番は順に肺・胃・大腸と肺癌は一番多く(男性1位:52,054名、女性2位:20,680名、合計72,734名)となっています。肺癌の治療は日々進歩してきておりますが、発症者も死亡者数も残念ながら、未だ増加の一途をたどっています。

肺癌の治療方法

手術、放射線療法、化学療法(いわゆる抗がん剤)、支持療法・緩和療法があり、これらを単独または組み合わせて治療を行います。肺癌の種類(組織型)、病気の広がり(病期)、癌がどの様な遺伝子変化や特徴を有しているか(例:EGFR遺伝子、ALK遺伝子)、これらによって推奨される治療が異なるため、正しく十分な検査情報をなるべく短期間で得て、適切な治療法を選択していくことが非常に重要です。

肺癌の検査

当科では肺癌を疑った場合、気管支鏡検査を含む全身の検査を通常2週間程度のうちに行い、短期間で治療方針が立てられるよう心掛けています。癌の診断や再発の判定に有用であるPET検査も可能です。

仮想気管支鏡

確定診断においては主に気管支鏡検査という内視鏡検査を行う事が多いです。これで気管支内部の様子を確認し、癌細胞の集まりをしっかりと採取してくることが診断と治療方針決定に非常に重要です。診断率を上昇させるために、当院では仮想気管支鏡と呼ばれる画像システムと気管支鏡検査中の超音波検査を組み合わせる最新の方法を用い、80%を超える高い診断率とより多くの癌細胞を採取して、治療方針決定に役立てています。
また、検査中は鎮静剤を使用し、検査の苦痛軽減にも努めています。

その他の検査

局所麻酔下胸腔鏡検査やCTガイド下肺生検と呼ばれる診断方法も行っており、適宜使い分けています。

肺癌の治療方針

呼吸器内科・呼吸器外科・放射線治療部が合同でキャンサーボードという診療会議を行い、患者さん一人一人の背景を踏まえて徹底的に議論してその治療方針を決定しています。症状を有する患者さんには、初期から症状緩和のための治療を開始し、状況に応じて緩和ケアチームや放射線治療部と協力して少しでも患者さんの苦痛が和らぐように心がけています。

化学療法

肺癌の場合は発見時すでに進行している場合が多く、進行している患者さんには化学療法が適応になります。医療の進歩に伴い肺癌患者さんも生存期間の延長がもたらされていますが、残念ながら完全に治すことは困難で、まだその治療成績は満足いくものではありません。

しかし、近年は分子標的薬や免疫療法薬を始めとする、多くの抗がん剤が開発されてきています。これらをそれぞれの患者さんに適切に選択し、適切に副作用管理を行うことが重要です。当科では2名のがん薬物療法専門医が中心となり、カンファレンスを通じて一人一人の患者さんにとっての最適な治療を検討しております。

1回目の化学療法は、患者さんの状態を確認させて頂くため、原則的に入院で治療を行っております。その後の化学療法は状況に応じて入院治療や、可能であれば外来での治療を行っていきます(外来化学療法)。外来化学療法に関しては2014年5月から中央棟2階に外来治療センターを以前より規模を大きくして設けました。

肺癌の治療成績

肺癌の治療成績は、この数年でも向上してきています。これらは患者さんにご協力いただき、治験や臨床試験を通じて、新規治療薬開発や治療方法開発を行ってきた結果です。御協力頂きましたすべての患者さん、ご家族の方々にこの場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。

治験と臨床研究

しかし我々は、今の治療成績でまだ満足する事はできません。当科では、標準治療(世界的に、この状況であればこの治療がお薦め、と科学的に証明されている治療方法)を中心に診療しておりますが、さらに効果的な治療薬を開発するための「治験」や、より効果的または副作用の軽減される治療方法を開発する目的の「臨床研究」というものにも積極的に取り組んでいます。

当院独自で行う臨床試験もあれば、他の医療機関と共同で行っている臨床研究もあります(代表例:日本臨床腫瘍研究グループ:JCOG)。このホームページをご覧の皆さんにも、治験や臨床試験のご相談をさせて頂く機会があるかと思います。きちんと倫理審査も受けて承認を得た研究であり、決して「悪い意味での人体実験」ではございません。主旨にご賛同いただけた方のみで行うものであり、無理強いは決して致しません。ご安心ください。

当院の治療

悪い病気かも、と言われ様々な心配事が出てきていると思われますが、患者さんの状態にあった治療方針を提供させて頂きます。分からないことは担当医・主治医にご質問頂き、よく御相談させて頂きながら一緒に治療を進めていきましょう。

以下に2014年度の当科に入院された胸部悪性腫瘍患者さんの内訳を提示します。ご参照ください。

  • 【性別】

    性別

  • 【年齢】

    年齢

  • 【性別】

    悪性腫瘍タイプ

  • 【原発性肺癌組織型】01

    原発性肺癌組織型1

  • 【原発性肺癌組織型】02

    原発性肺癌組織型2