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研修を希望される皆さんへ

初期研修医・医学部学生案内

研修期間

研修期間当センターの初期研修プログラムでは、1-2年次の研修医は、1ターム各6週間のローテーションシステムで診療科を回っていきます。プログラムには、内科系、外科系、総合診療コースの大きな3系統と産婦人科、小児科の少人数コースがありますが、麻酔科は必修の診療科となっていますので、どのコースであろうと少なくとも1タームは回っていただくことになります。

また、希望して選択すれば、もう1ターム(6週間)麻酔科を研修していただくことも可能です。もちろん、麻酔科を志望している方は、外科系コースの一員となりますが、4タームは麻酔科に在籍して重点的に研修していただきます。

研修内容

6週間という短期間の研修なので、基本的には手術麻酔を中心に全身管理について学んでいただきます。術前評価、麻酔計画の立案、麻酔管理、術後評価というプロセスの中で、診察、面接から静脈ルート確保、気道確保、気管挿管、人工呼吸管理、観血的動脈圧測定ライン確保、中心静脈ルート確保、くも膜下脊髄麻酔穿刺、などの手技、麻酔薬、循環作動薬の使用法、輸液・体液バランスの維持、酸塩基平衡などについても学んでいただくことになります。毎朝8時から症例カンファレンスやミニレクチャー、抄読会などを行っているなど、長年研修プログラムを継続しており、各麻酔症例は麻酔科スタッフがマンツーマンで担当し、教育にも力を入れています。

研修内容それらの中でも主体となるのは、気道確保、気管挿管手技の会得というものですが、一般的には気管挿管の確率が90%を超えるには、少なくとも約60回の挿管経験が必要だと言われています。6週間の研修では、麻酔管理症例が平均50例で、気管挿管手技は約30回というところです。したがって、1タームのローテーション研修では、確実な気管挿管手技を会得するには不十分ですが、2タームを研修するとまず挿管手技には習熟できるということになります。

麻酔法は、全身麻酔、硬膜外麻酔、くも膜下脊髄麻酔が主体です。全身麻酔法では、吸入麻酔法も静脈麻酔法も経験でき、各麻酔法の長所短所も理解できるはずです。術式によっては、閉鎖神経ブロック、大腿神経ブロック、腕神経叢ブロックなどのエコーガイド下末梢神経ブロックも併用しています。

さらに、当センターは総合病院ですので、管理する麻酔症例は多岐にわたり、一般外科から脳神経外科、心臓血管外科を含めた多くの手術術式を経験することができます。また、救急救命センターもあるため、緊急手術症例も非常に多く、急性虫垂炎から解離性大動脈瘤破裂など多様な緊急手術も経験できるでしょう。

後期研修医(レジデント)案内

後期研修2当センターの後期研修は、原則としては3年間を基本としています。しかし、麻酔科を志望・選択された方への研修ですので、希望に応じ変更することも可能です。上記の当センターで施行されるあらゆる手術・麻酔症例を自ら主体的に数多く経験していくことが中心となります。上記の各種手技・神経ブロック法などの確実な会得、あらゆる手術術式への理解、合併症や周術期の問題点に対する対処などについて経験しつつ学んでいきます。

年間約3000例余りの麻酔科管理症例を持っておりますので、最低でも一人300例/年は経験することになります。麻酔管理法は、できるだけ視野を広く応用性を高めるために、一定の方法にはこだわらず、各症例に最も適すると考える麻酔法、モニターなどを自由に選択して行えるように配慮し指導しております。

ある程度の麻酔管理についての経験を積んだ後で希望によりペインクリニック、集中治療についても研修可能です。当科では、ペインクリニック外来も行っていますし、ICUの管理に参加しております。ICUは日本集中治療学会認定施設にも認定されており、クローズドでの管理しているわけではありませんが、各診療科医師とともに人工呼吸管理や重症患者管理を行っております。

日本麻酔科学会の認定研修施設でもあり、2年間の経験で麻酔科標榜医・認定医、5年間の経験を経て麻酔科専門医となることが可能です。現在のスタッフには麻酔科認定医・標榜医は7名そのうち3名が麻酔科専門医で、さらにその2名が麻酔科指導医・ペインクリニック認定医でもあります。臨床研究、学会活動にも積極的に参加しており、毎年日本麻酔科学会、日本臨床麻酔学会などでは発表し学会誌などへの論文掲載を行っております。

また、当センターの特徴としましては、数年の経験医師を対象に東南アジア諸国やハンセン病療養所などへの医療支援に参加するプログラムを継続しております。希望者の数にもより必ず可能とは言えませんが、当科からも積極的に参加をしております。また、小児症例の研修には、希望により同じくナショナルセンターである国立成育医療研究センターでの短期研修も可能です。

後期研修以上、当科の研修について紹介いたしました。当センターは独立行政法人となった6つの旧国立センター(がん研究センター、循環器病研究センター、成育医療研究センター、精神・神経研究センター、長寿医療研究センター、当センター)の中で唯一の特科していない総合病院で、単独での初期研修施設です。また、患者層が非常に幅広いことも特徴です。偏った大学からでなく全国の大学からモチベーションの高い若い医師が多く集まって、仲良くまた切磋琢磨しつつ医療に取り組んでいます。視野を広げようと思っている方に最適です。是非、お待ちしています。