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定位放射線治療(SRT/SBRT)

定位放射線治療

定位的放射線治療では、がんに対してすべての方向から腫瘍に集中させて放射線を投与します。そのためがんへの放射線集中性は格段に向上します。また体全体を安易に動かないように固定すると、がんの体内位置における動きがなくなり放射線の狙いがより正確になります。がんへの放射線集中性と、放射線投与の精度の両者を向上させた治療が定位的放射線治療です。

脳腫瘍に対する定位放射線治療(Stereotactic Radiationteraphy)

歴史的には「ガンマナイフ」といわれる放射線治療装置により、初めて可能となった治療法です。ガンマナイフでは、放射性コバルトの2000個以上の小さな放射性線源がヘルメットのふちに球状に並ぶように配置されています。それらの線源は、ヘルメットの中心の1点のみに向かって放射線を放出するようになっています。その焦点にがんを合わせるように患者さまの頭部を固定すれば、がんに限局して集中した線量分布が得られます。このような定位的放射線治療により、通常の放射線治療では不可能だったような大量の線量投与が、放射線による副作用なく可能であることが実証され、結果、脳腫瘍の局所制御率向上が認められています。その際、頭部の固定には局所麻酔下に、頭蓋骨に4本のピンを刺して全く頭部を動かないように治療台に固定します。しかしガンマナイフではその装置特性から、頭蓋内の腫瘍しか治療はできません。近年の放射線治療装置は日進月歩ともいえる進歩により、ガンマナイフと同様の治療がリニアックなどでも施行可能になってきました。その場合もガンマナイフと同様に、局所麻酔下で4本のピンを頭蓋骨に固定して頭部を動かないようにします。当科では前述のピンを刺す方法の他、歯の噛み合わせを利用した固定方法も用いています。ピンを刺す方法に比べて、非観血的に施行可能でしかも固定精度もピンを刺す方法に劣りません。当科における頭部の定位的放射線治療は、1992年以来20年を越す実績をもち、原発性脳腫瘍、転移性脳腫瘍、脳動静脈奇形などに積極的に施行しています。
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ピンポイントで一部分に放射線を集中させ治療を行います。

当院では最短、3日後に治療を提供しております。

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肺がん、肝臓がんに対する定位放射線治療

脳腫瘍の場合は頭蓋骨をしっかり固定することにより、脳腫瘍へ放射線集中性を正確にすることが可能ですが、肺がんや肝がんなど体幹部では体位固定が難しいこと、(呼吸など)生理的運動によりがんが可動な(動く)ために放射線の狙いを定めることが非常に困難で、これまでは定位的な放射線治療施行は不可能でした。当科では、1991年から肺がんや肝がんに対する定位的放射線治療装置の開発を行ってきました。体位固定には、頭部から下肢におよぶ各患者さま専用固定(補助)具を作成し、治療計画から実際の治療までその専用固定(補助)具に寝て頂いた状態で行います。また呼吸をモニタ(観察)させて頂き、全呼吸位相のうち一定の相(息を吐いている時だけ、など)でのみ、放射線の照射を行う「呼吸同期放射線治療」を組み合わせることにより、肺がんや肝がんに対する定位的放射線治療を可能といたしました。定位的放射線治療の適応となる腫瘍の大きさは4cm以下の腫瘍です。放射線による副作用は殆ど無いため、外来での施行が可能です。患者さまは、個別に作成した固定ベッドの上にのって治療を受けて頂きます。呼吸同期照射では、息を吐いたときだけ放射線を照射するように設定しています。この治療方法では、装置が患者さまの周囲を回転しながら放射線治療を行います。
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(呼吸同期法)
 当院では、呼吸のコントロールが必要な場合の照射及び体幹部定位放射線治療(SBRT)にてVARIAN社製のRPM及びabchesを用いて治療を行っている。方法として、呼吸同期はVARIAN RPM(Real Position Management System)で、患者様呼吸はabches(呼吸モニタリング装置)で制御している。

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(呼吸同期方法の決定)
 固定具は、全身用Vac-Lok、Abches、足台、手台を組み合わせたセットを用いる。体幹部定位照射では、呼吸の安定性、持続性、再現性などを担保する為、時間をかけて呼吸の練習を繰り返し行う。呼吸同期照射の出力位相を決定する為、4DCT画像と呼気止めCT画像の整合性を確認。出力呼吸位相を決定する。

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(呼吸同期照射)
 治療は照射開始前にCBCTによりターゲット位置を確認(inter)。照射直前で位置修正をしたのち照射を行う。この際、EPIDにてターゲット位置を確認する画像を取得しておく。

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当院では、治療計画から5日で呼吸同期体幹部定位放射線治療(SBRT)をご提供しております。