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強度変調放射線治療(IMRT)

強度変調放射線治療

IMRT(強度変調放射線治療)

強度変調放射線治療(IMRT)という照射法は、放射線の照射中に、照射野内の放射線の強さに強弱をつけ、腫瘍に対して集中的に照射を行うことができる方法です。特に、歪な形の腫瘍に対してもその形に合わせて放射線を照射することが可能です。このような照射方法は、Multi Leaf Collimator (MLC という)という放射線を遮る複数の特殊な金属板により、実現されます。適応とされるがん腫は、前立腺がんを代表とし、頭頸部、胸部など多岐に渡ります。下図にIMRTの概念図とMLCの外観図をお示しします。

<放射線治療計画例>

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<放射線治療例(前立腺)>
〇治療計画CT及び治療の流れ

治療計画用CT撮影時および治療時は、前処置(準備)として蓄尿、排便、排ガスをしていただきます。この前処置は、放射線治療による副作用の発生の低減と、前立腺およびその他の周囲の臓器・器官の形状および位置を毎日行われる治療期間を通して可能な限り同じ状況にすることが目的です。蓄尿をすることで、膀胱(壁)や小腸の放射線が当たる領域またはそれらの器官に放射線が量を少なくできます。また、排便、排ガスをすることにより、治療時および治療計画用CT撮影時の直腸の形状が同じになりやすくすることができます。その後、写真のように、患者さん一人一人にあった固定具を作成し、治療計画用のCT撮影を行います。また、治療に要するお時間は、治療室に入ってから出るまでおよそ15~20分程です。
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VMAT(回転型強度変調放射線治療)

 

下の図は、頚部に腫瘍がある方への治療の例です。首の腫瘍を対象とする場合、すぐ後ろに脊髄という重要な神経群があります。IMRTなら腫瘍だけに高い照射線量を投与でき、脊髄を避けながら放射線を照射することができます。さらに、頚部の病巣のように広い照射範囲は、照射に要する時間が長くかかりますが、回転型強度変調放射線治療(VMAT(回転型IMRT))を用いることにより、短時間で腫瘍に対して集中的に照射(強度変調照射)が可能です。

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