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強度変調放射線治療(IMRT)

強度変調放射線治療

IMRT(強度変調放射線治療)

原体照射(いびつな形をした腫瘍の形に合わせて、リニアック(治療装置)の照射する範囲(照射野)の形をコンピュータ制御で常に変化させて、腫瘍に集中した放射線の投与が可能な照射法です。)を更に精巧にした照射法がIMRTです。通常の放射線治療では照射野内の放射線強度は一定です。しかしIMRTでは放射線の照射中に、照射野の形と照射野内の放射線強度を異なるように設定し、腫瘍に集中した、かつ放射線を照射したくない臓器がなるべく照射されないような線量分布が得られます。特に凹んだ形の腫瘍に対して凹んだ形で放射線を投与することが可能です。前立腺がんや耳鼻科領域のがんに応用されることが多い照射法です。2007年12月に、先進医療としての承認を厚生労働省から受けました。通常の放射線治療は、放射線を照射する領域(照射野)内の放射線強度(強さ)はすべて均一です。IMRTでは、理想とする線量分布(放射線の吸収具合)になるように専用のコンピュータで計算(最適化)を行い、照射野内の放射線強度を不均一(強度変調)にします。計画通りに多方向から照射することで腫瘍には高い照射線量による優れた局所制御を、逆に腫瘍周辺の正常組織には照射線量を低く設定して、合併症の発生確率を最小限に抑えることを可能としているのです。これは近年の放射線治療機とコンピュータの急速な進歩により実現可能となりました。下図にIMRTの概念図をお示しします。
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    (左)通常の放射線治療

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    (右)強度変調放射線治療

通常の放射線治療では、腫瘍と正常組織に同程度の放射線が照射される。強度変調放射線治療では、腫瘍に高線量、正常組織は低線量に放射線が照射される。

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MLCと呼ばれる放射線を遮る特殊な金属により放射線の照射される強度を任意に変化させIMRTを行います。

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<治療計画の流れ>
治療を行うにあたり前処置をさせて頂きます。理由は、前立腺は膀胱と直腸に挟まれたところに位置し、膀胱の尿量、直腸内のガスや便により前立腺の位置に影響を与えることがある事があり、これらの影響を出来る限り排除する為です。よって、当科に到着されましたら排尿(便座に着座して)して頂き、一旦膀胱内の尿を空にします。その後、400~500mlのお水を飲水し、30~40分程度蓄尿していただきます。その後写真のような固定具を作成。その後治療計画用のCT撮影を行います。

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<治療計画MRI撮影>
同日に前立腺の位置を明確に定義する為MRIを撮影し、CT画像とMRI画像を重ね合わしたりし治療の計画を立てます。

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    (左)強度変調放射線治療(IMRT)

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    (右)普通の放射線治療

 具体的な例です。上の図は、実際にIMRTを受けられた患者さまの線量分布(放射線の吸収度合いを表す)図です。この患者さまは前立腺の治療でIMRTを受けられた方です。この際、前立腺のすぐ後ろに直腸(黄色で囲まれた所)があります。IMRTなら前立腺だけに高い照射線量を投与できます。しかも直腸には限られた放射線しかかかりませんから、合併症の発生確率を低く抑えることが出来るのです。

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治療は直前に前立腺の正確な位置を微調整し、各方向から放射線の強度を変調したX線を照射します。治療に要するお時間は治療室に入ってから出るまで15~20程になります。

VMAT(回転型強度変調放射線治療)

下の図は、頸部に腫瘍がある方です。その腫瘍のすぐ後ろに脊髄という重要な神経群があります。強度変調放射線治療なら腫瘍だけに高い照射線量を投与でき、脊髄を避けながら放射線を照射することが出来ます。しかし、従来の強度変調放射線治療では特に頸部のように広い照射範囲の病気に対して、照射に要する時間は長くかかっていました。当院では2013年より新しい手法である回転型強度変調放射線治療VMATを用いることが可能となりました。

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この新しい手法では、今までは各角度ごとに照射していたものが、一気に回転しながら強度変調した放射線を照射することが可能です。

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つまりその分治療時間が短縮されると同時に、照射による副作用を限りなく低減出来る事で、患者様の負担を大きく軽減することが可能となる照射技術の一つです。

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