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2019年 ザンビア共和国国際展開推進事業
2019年 医療技術等国際展開推進事業(ザンビア共和国CT画像診断及び血管造影技術強化事業)

事業概要

日本製マルチディテクターCT(MDCT)と血管撮影装置がザンビア共和国最大級の規模を誇るザンビア大学教育病院(The University Teaching Hospital : UTH)に2015年に購入されました。UTHは2016年から同機器を使用して医療活動を開始しましたが、これら装置の基本的な構造と操作方法等に知識・技術不足が見られ適切な使用がなされていないことが判明しました。そのため、2017年に医療技術等国際展開推進事業を活用し、CT画像診断装置の理解と基本的な操作法や検査を受ける患者への対応等を習得させ、2018年にCT画像診断装置の理解と基本的な操作法の継続や心臓カテーテル検査に関しUTHの医師・診療放射線技師・看護師へ人材育成を行いました。今年度はザンビア国での心臓カテーテル検査施行・冠動脈CTなど3D撮影の方法・画像処理の習得と核医学の技術支援・機器管理を支援しました。

 

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    血管撮影装置

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    マルチディテクターCT(MDCT)

 

 

研修日程

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○受け入れ研修:2018年9月28日~10月21日(診療放射線技師3名、看護師1名)

○研修後評価・フォローアップ:2019年1月19日~2019年2月3日(山崎、寺嶋

 

 

UTHにおけるCT・核医学検査について

UTHには日本製の64列CT装置とハンガリー製の核医学装置が導入されています。しかし、残念ながら私たちが訪問した時はどちらも故障のため運用されていませんでした。

装置の故障はすぐに直すことが日本では一般的です。しかし、UTHでは故障後の対応がまだ確立されていないことが判明しました。装置が故障したままですと、折角の高度な装置を購入しても検査を行うことができない状態なので、なによりザンビア国の患者さんに不利益を被る結果となってしまいます。以上のことから装置機器メンテナンスの重要性を指導し、より長く装置を維持できるような体制を構築されることを期待しています。
 

まとめ

ザンビア国を始め、多くのアフリカ諸国では冠動脈疾患が増加傾向にあります。この背景の中、今回の訪問でザンビア国における初の心臓カテーテル検査が行われたことは非常に意義の大きい事であると思っています。ザンビア国のTV・新聞取材はもちろんのこと、アフリカ近隣諸国のTVクルーも取材に来ていることから、このカテーテル検査の注目の大きさが感じられました。また、ザンビア国UTHのスタッフも学ぶ姿勢や意欲がとても高く、日に日に知識や技術が向上していることに驚きを感じるとともに、我々も更に向上心を持って努力をしなければならないと気付かされた2週間でした。

今後も当院とUTHが固い絆で結ばれ、ザンビアを始めアフリカ諸国の患者さんに貢献できるように交流を続けていきたいと思います。

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筆者:山崎・寺嶋