脳神経外科専門医・脳卒中専門医を目指す方へ 
          脳神経外科専門医・脳卒中専門医を目指す方へ

STAFF INTRODUCTION STAFF INTRODUCTION

当科研修希望の方へ 当科研修希望の方へ

当院は大学医局に属さず脳神経外科専門医を取得できる都内唯一の後期研修プログラムです。
脳神経外科に興味のある先生方にむけて以下のコースを有しています。

後期研修プログラム

熱い想いと、
患者さんへの優しさを携えて

国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院は、高度な先駆的医療を国民に提供する特定機能病院であり全国に6つあるナショナルセンターの一つでもあります。そのルーツは150年前(1868年)の兵隊假病院にまで遡ることができ、戦前は主として陸軍病院総本山としての役目を全うしました。戦後の昭和20年(1945年)12月、厚生省に移管され国立東京第一病院として再出発し既に73年が経過しました。平成5年(1993年)には国際協力と高度総合医療を旨とした国立高度専門医療センター(ナショナルセンター)に組織総合され、平成27年(2015年)には独立行政法人の一形態である現在の名称となりましした。

後期研修プログラムのイメージ 後期研修プログラムのイメージ

そのような中で当科は昭和43年(1968年)より本格的に脳神経外科を標榜し、全国でも有数の歴史ある医療施設です。平成23年(2011年)には日本脳神経外科学会主導のもと専門医制度にいち早く対応してきましたが、現在では充実した高度な医療設備と集中的な治療を行える都内で唯一の大学病院以外での脳神経外科プログラムを提供できる基幹施設となっています。

後期研修プログラムのイメージ

連携施設として東京都立墨東病院、NTT東日本関東病院、北原国際病院の3病院を擁し、歴史ある症例豊富な病院群で構成され、関連施設として東京大学医学部付属病院、東京都立神経病院、国立成育医療研究センター病院などがあります。これらの病院群をみてもおわかりのように、非常に整備された教育システムと抜群の安定感を誇り、あなたの医師としての成長を多くの優秀な指導医でサポートできるものと考えています。

後期研修プログラムのイメージ 後期研修プログラムのイメージ

後期研修プログラムについて

後期研修プログラムのイメージ

当院は基本理念に基づき、高度専門・総合医療を実践し全人的医療を心がけています。
質の高い専門性を強化しながら同時に幅広い全人的な高度総合・先駆的医療を目指しており、診療・研究・教育に高いモラルで日夜努力を続けています。脳神経外科専門医が24時間体制でほとんどの神経疾患に対応していますが、広範な知識と十分な技量を備えた脳神経外科医の養成を主眼に置いた学会認定をうけた基幹病院プログラムです。原則として初期研修を修了した卒後3~6年目の医師を対象としています。連携施設として東京都立墨東病院、NTT東日本関東病院、北原国際病院など都内でも有数の症例数と臨床研修教育病院としての実績も持ち合わせた病院群で構成されおり、一定期間それぞれの施設で研修を受けて頂きます。救急科・神経内科・放射線科などとも密に連携し救急医療にも積極的に参加しています。対象疾患としては脳血管障害や頭部外傷の比率が高いですが、従来より脳腫瘍、脊椎脊髄疾患、機能的疾患(顔面痙攣、三叉神経痛)など脳神経外科全般を広く取り扱います。当院は日本脳神経外科学会認定の基幹施設のほか日本脳卒中学会研修教育病院・日本がん治療認定医機構認定研修施設などにも指定されています。隣接する研究所も充実しており、希望があれば臨床とともに研究活動も身に着けることができます。

後期研修プログラムのイメージ

また特筆すべきは、当科は病院の使命の1つである国際医療協力にも積極的に参加しており、技術指導などを介して国際感覚も身に着けることができます。特にベトナムホーチミン市のチョウライ病院やハノイ市のバックマイ病院との人事交流がさかんです。

後期研修プログラムのイメージ

研修にあたり念頭においていただきたいのは、まず医師としての基礎的なマナーを身に着けること、医療業務における責任感を身に着けることが大前提であり、その確認のうえで責任ある業務を任されることになります。レジデント1名に対して指導医(専門医)が1名つきマンツーマン指導を徹底しますが、緊急手術等が重なる場合などはこの限りではありません。場合によっては複数の指導医のもとで研修することがあります。レジデント1人あたり平均10~15人前後の患者さんを受け持ち、検査、診断、治療、手術などすべての指導を受けます。

後期研修プログラムのイメージ

この間個人の技量に合わせて順次、上級の業務を任されることになります。研修内容は、診断技能、検査技能、手術技能、学会報告技能、論文作成技能などの養成で、初期研修医の指導にも携わります。

後期研修プログラムのイメージ

2010年4月には全国6か所のナショナルセンターが同時に独立行政法人化され、当院の名称も国立国際医療研究センター病院となりました。さらに2012年11月には厚労省より特定機能病院として承認され、全人的立場から国民の健康、医療、福祉、そして国際的な医療協力などに積極的に提言していくことが期待されています。また2010年10月開設の3次対応の救命救急センターでは年間の救急車受け入れ台数は約12000件に迫っています。これは1日30件以上という非常に多くの救急車を受け入れていることになり全国的にみてもトップレベルです。2014年2月には脳血管内治療専門医を取得したスタッフが誕生し、2014年12月には、施設基準を満たした6床のSCUを開設致しました。SCU開設に伴い関連各科との連携もさらに充実し、脳卒中入院症例は年間400例前後を数えます。

後期研修プログラムのイメージ

くも膜下出血に対しては開頭クリッピング術、コイル塞栓術を症例に応じて選択し、より安全で確実な治療を行っています。脳出血は開頭血腫除去術だけではなく、内視鏡を用いた低侵襲な治療も積極的に行っています。脳梗塞はtPA静注に加えて血栓回収術を積極的に行い良好な成績を収めています。特に近年は脳血管内治療の症例数が増加しており、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術や脳梗塞に対する血栓回収術はもとより、血管攣縮に対する血管形成術・エリル動注療法や頸動脈狭窄症に対する頸動脈ステント留置術、硬膜動静脈瘻や脳動静脈奇形(AVM)に対する塞栓術も積極的に取り組んでいます。また将来を見据え、血管内治療専門医の育成にも科を挙げて尽力し、昨年度末にはあらたに1名の専門医が誕生しました。

後期研修プログラムのイメージ

2015年4月からは単なる独立行政法人から国立研究開発法人になりこれまで以上に臨床研究の成果を世界に向けて発信していくことが責務となっています。その一つとして当院は順天堂大学大学院や慶応大学大学院などと連携大学院協定を結び、当科に在籍しながら学位取得を目指す道も開かれています。

後期研修プログラムのイメージ

当然のことながら取得のためには相当な意欲と努力が必要ですが、今年度は2名が博士(医学)の学位を授与されました。

後期研修プログラムのイメージ

以上、当院では今後もますます質の高い臨床や研究を実践していく所存ですが、将来脳神経外科専門医を目指す熱意ある後期研修医(当院ではレジデントおよびフェローに相当)の方々に是非とも当院での研修を心から期待する次第です。

参考:以下に連携施設の特徴を掲げておきます。詳細はそれぞれのHPをご覧ください

後期研修プログラムのイメージ

東京都立墨東病院脳神経外科

  • 1. 区東部にある急性期病院で、都立病院群の中でも多摩地区にある多摩総合医療センターと肩を並べる救急患者数で、脳卒中患者数が豊富である。
  • 2. 特にくも膜下出血は都内1-2位を争う症例数であり、手術と脳血管内治療の両者を経験できる。
  • 3. 脳神経外科と救命救急センターの脳神経外科を合わせると8名の指導医がおり人材が豊富で余裕のある研修が受けられる。
  • 4. やる気があれば、初めての手術にも術者として貫徹させることを基本方針としている。
  • 5. 高度救命救急センターの脳神経外科では重症頭部外傷とともに全身の多発外傷の症例も経験できる。
  • 6. シングルプレーン(Siemens社製)とバイプレーン(Philips社製)のフラットパネル脳血管撮影装置を放射線部門に持つとともに、ハイブリッド手術室にもシングルプレーン(Philips社製)のフラットパネル脳血管撮影装置を持ち、脳血管内治療専門医は3名おり、脳血管内治療体制がソフト面とハード面で充実している。
  • 7. 早期から脳血管内治療に参加でき、脳神経外科専門医の取得後には脳血管内治療専門医も取得できる症例数を経験できる。

東京都立墨東病院脳神経外科 東京都立墨東病院脳神経外科

NTT東日本関東病院脳神経外科

  • 1. ガンマナイフセンターが年約300件の症例数を10年以上にわたり堅持して全国屈指のセンターとなっている。センター長の赤羽敦也医師の膨大な経験に基づく精密な治療、綿密なフォローアップを学びに研修医は交代で診療にあたっている。病歴把握、治療適応検討、画像読影など脳神経外科医養成上、極めて有用な経験ができる。
  • 2. 赤羽センター長に多くの患者さんがガンマナイフ目的に紹介されるので、腫瘍の大きさ等の観点から一定割合で開頭腫瘍摘出術に方針が変更になる。転移性の場合、原発巣治療を妨げないよう、合併症を極力減らし、摘出率を上げる綿密な手術戦略が必要になり、難度の高い執刀機会が多い。
  • 3. 脳神経外科と脳血管内科が共同で脳卒中センターを運営。共同でstroke hotlineを24時間体制で開いており、ステントや吸引カテーテルによる緊急血管内血行再建も脳血管内科の血管内専門医と脳神経外科の研修医が協力して熱心に取り組んでいる。
  • 4. 毎朝、脳神経外科、脳血管内科、神経内科、リハビリテーション科で合同カンファレンスが開かれており、他科との綿密なdiscussionかつ、スムーズな連携を通して、より良い患者さんの経過、予後を実現しつつ、日々脳神経科学を特に臨床面から勉強して極めていける機会に恵まれている。
  • 5. ペインクリニックが全国有数の診療を展開しており、三叉神経痛や顔面痙攣へのmicrovascular decompression, 時に三叉神経鞘腫のanterior transpetrosal approachによる摘出などもある。
  • 6. 2016年より井上智弘部長が川合謙介前部長(現自治医科大学教授)の後任として赴任。手術の方向性としては、未破裂脳動脈瘤開頭クリッピングや、high flow bypass等の脳血管バイパス手術を中心とした脳卒中の外科治療に最も力点をおいている。
  • 7. 難度の高い脳血管開頭手術、頭蓋底手技も含めた開頭腫瘍摘出手術数を増やしていき、専門医前の医師にとって魅力ある施設となるよう努力している。

NTT東日本関東病院脳神経外科 NTT東日本関東病院脳神経外科

北原国際病院脳神経外科

  • 1. 脳卒中を中心とする豊富な症例の経験が可能。2016年読売新聞社調べにおいて「主な医療機関の脳卒中治療実績」都内2位。
  • 2. 急性期治療の北原国際病院、慢性期治療の北原リハビリテーション病院、都市中心部クリニック型の北原ライフサポートクリニック、被災地復興支援型の北原東松島ライフサポートクリニック、発展途上国医療を担うサンライズジャパン病院(カンボジア)がグループ傘下にあり、研修可能。(本院以外の研修は希望者のみだがアンコールワットのあるカンボジアでの期間限定研修は全員希望している)
  • 3. 本院は病院形態として脳神経外科と循環器科に特化しており脳神経外科のためのスピーディーな放射線科運営・手術室運営・病棟運営がなされている。
  • 4. 若手にも早期から顕微鏡手術の術者となってもらうことで手技のみならず、見学者ではない「主治医」としての自覚、自負、責任感を養っている。
  • 5. 八王子は都心からやや離れているが、中央自動車道と圏央道の交点であり東西南北にアクセス良好。(プライベートでも都心部、富士山、湘南鎌倉へ一直線)ゆえに山梨方面からの患者搬送も多い。また医療機関が密集しておらず一つの病院の果たす役割は大きい。

北原国際病院脳神経外科 北原国際病院脳神経外科

国立国際医療研究センター病院を基幹病院とする専攻医研修プログラムの詳細は以上ですが
まとめると以下の7項目に要約されます

  • 1. 都内の歴史ある4つの大病院で構成され、大学病院以外で基幹施設となっている東京都内で唯一のプログラムである。
  • 2. 機能・てんかん・小児以外はすべてこの4病院をローテートすることにより十分なトレーニングが受けられる。機能・てんかん・小児に関しては関連施設へ出向し経験できる。
  • 3. 基幹病院には順天堂大学大学院医学研究科との間に連携大学院協定があり学位の取得が可能である。
  • 4. 興味があれば開発途上国への国際協力にも早くから携われる。
  • 5. 国内有数のガンマナイフセンターを備えた施設があり、さまざまな脳腫瘍の症例を経験できる。
  • 6. 3次対応の救命救急センターを整備した施設が2施設あり、国内でもトップクラスの救急車を受け入れており、脳卒中や多発外傷など多くの症例を経験できる。
  • 7. 脳血管内治療も積極的にとりいれ症例数も多い。特に脳梗塞に対しては時間との勝負である超急性期の血栓回収術を診療科の枠を超え実施し良好な成績をあげている。

各施設の指導医はみな情熱を持って日々の臨床に邁進していますが、皆さんの教育に非常に熱心です。
是非われわれのプログラムで学び、トレーニングを受け、どこへでても恥ずかしくない超一流の脳神経外科専門医を目指しましょう。
最初が肝心です。お待ちしてます。

当センターでの3年間の研修内容

1年目

1年目のイメージ

脳室腹腔短絡術、頭蓋形成術、穿頭洗浄ドレナージ術、脳室ドレナージ術を術者として確実に行えるようにします。さらに急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、脳挫傷などの頭部外傷の診断および治療(減圧開頭、血腫除去)に携わります。

1年目のイメージ

2年目

2年目のイメージ

頭部外傷の治療を確実に行えるようにします。手術症例では原則として術者になります。技量に応じて脳内出血の開頭、血腫除去術を開始します。手術用顕微鏡(マイクロサージャリー)の助手につきその操作になれることも目標におきます。

2年目のイメージ

3年目

3年目のイメージ

悪性脳腫瘍、転移性脳腫瘍、円蓋部髄膜腫など表在性脳腫瘍の開頭、摘出術を開始します。能力しだいでは開頭クリッピング術の術者も考慮します。

3年目のイメージ

この後も引き続き当院での
研修を希望する場合
5年次の発展時期と位置づけ、術者としての症例を多くこなせるよう格別の配慮をします。
また、興味に応じて研究機関や他の医療機関への短期研修、また国際医療協力の一環として発展途上国への短期研修も視野に入れます。

当科で開催されるカンファレンスについて

  • 脳外入院症例、手術症例カンファレンス週2回
  • Stroke カンファレンス週1回
  • 脳外抄読会週週1回
  • 脳外リハビリ科合同カンファレンス月2回
  • 神経放射線合同カンファレンス月1回
  • 全職種参加型リトリートカンファレンス月1回
  • 研究所主催セミナー(基礎)月3-4回
  • 国際医療協力局主催セミナー週1回

当科でのプログラム終了後の
進路等について

プログラム終了後(専門医取得後)

常勤医への昇格
実力次第では当院の常勤医に昇格し当科でさらに高度な技術、知識の取得に努める。同時に後輩の臨床研修の指導を行う。
臨床/基礎研究
大学や研究機関へ移り臨床や基礎研究を行う。
臨床医
他病院へ臨床医として就職する。

当院で実際に研修を行った
医師からのメッセージ

脳神経外科 医員 玉井 雄大

脳神経外科 医員玉井 雄大

脳神経外科 医員 玉井 雄大

YUTA TAMAI

当センターのプログラムで脳神経外科専門医資格を取得いたしました。脳卒中や外傷などの急性期疾患に加え、脳腫瘍や脊髄疾患などの脳神経外科疾患全般に渡り基礎からしっかり学ぶことができました。手術についても顕微鏡手術、血管内治療など豊富に経験することができ、症例によってはレジデントの段階から積極的に術者として手術に携われました。充実したプログラムだと思います。ぜひ一緒に働きましょう。

脳神経外科 フェロー 山口 翔史

2019年まで在籍 現在北原国際病院勤務山口 翔史

脳神経外科 フェロー 山口 翔史

SHOJI YAMAGUCHI

年間救急搬入数11000件以上と日本有数の救急病院であり、頭部外傷・脳血管障害など若手に活躍の機会が多い症例を中心に経験を積むことができます。良性・悪性問わず脳腫瘍の数も多く、疾患のバリエーションは非常に豊富で様々な脳神経外科疾患の診療を基礎から学ぶことができます。脳神経外科医としてのスタートを切るのに非常によい環境です。

また、都内有数の総合病院であり、初期研修医も多く、他科にも3-5年目のレジデントが多く在籍しています。医局は科ごとではなく、(簡単なパーテーションがありますが)オープンフロアで大まかな学年ごとに机が割れ振られるので、自然と同年代の他科の医師との交流が生まれます。初期研修が終わり専門とする科に進んだのちも、同年代の医師と切磋琢磨しつつ成長できます。

当院の特色である国際協力の一環として、当科ではベトナム社会主義共和国のチョーライ病院との人材交流があり、臨床留学の機会を得ることができます。研究ではなく実際に現地のドクターと一緒に手術ができ、外傷など症例によっては執刀を任されることもあります。海外のhigh volume centerで実際に手術ができるという機会はなかなか得られるものではなく、非常に貴重な経験となると思います。

また、国内では当院主体でNTT東日本関東病院(品川区)、北原国際病院(八王子市)、都立墨東病院(墨田区)と脳神経外科専門医プログラムがあり、専門医取得を目指してこれらの病院をローテーションし様々な症例経験を積むことができます。さらに小児や機能などの特に専門性の高い疾患については、国立成育医療研究センター(世田谷区)や都立神経病院(府中市)での研修が可能です。私自身も当院の他、期間は様々ですがNTT東日本関東病院・国立成育医療研究センター・都立神経病院で研修させて頂きました。各分野で国内トップクラスの環境が整っており、いずれもかなり充実した研修となりました。

これから脳神経外科医を目指す若手にとって最も魅力的な病院(脳神経外科プログラム)の一つであることは間違いありません。学生の方、初期研修医の方、少しでも興味を持って頂けましたら是非気軽に見学にお越しください。お待ちしています。

脳神経外科 フェロー 野田 龍一

2020年まで在籍 現在NTT関東病院勤務野田 龍一

脳神経外科 フェロー 野田 龍一

RYUICHI NODA

当院での研修の魅力について私から特に3点お伝えしたいと思います。

1つ目は国際色が豊かなことです。当院は国際協力に力を入れており、国際協力局を中心として開発途上国への支援を行っています。当科もベトナムの病院と提携し交換研修を行っています。国際診療部のサポートも充実しているため外国人患者の受け入れ態勢も整っており、医療のグローバル化を担っています。

2つ目はワークライフバランスです。脳外科医としての最初の数年間は多忙を極める生活を送ることになると思いますが、当科では適度な休息が得られるように土日祝日は当直制を採用しています。週末に引き継ぎをすることで土日は家族、友人とのプライベートな時間を確保できます。また、夏期休暇は年次に応じて2-3週間取得を目標としています。休むときはしっかり休み、働くときは全力で働くというのが当科の方針です。さらに当科は墨東病院、北原国際病院、NTT関東病院と提携を結んでいるため他施設での研修も充実しています。全て都内の病院のため他の医局と比較して異動に伴う負担が少ないと感じています。

最後に、当院は救命救急センターがあり、脳卒中•頭部外傷の症例が豊富なため、開頭手術•血管内治療の経験を多く積むことが可能です。脳腫瘍の治療も積極的に行っているため脳外科専門医の受験資格に必要な症例を万遍無く経験することができます。また結核治療を専門にする呼吸器内科やHIV感染症治療を行うACC科もありますので、結核性髄膜炎•結核種•脳膿瘍や悪性リンパ腫といった当院でしか経験できないような症例も魅力といえるでしょう。
当院での研修に少しでも興味を持っていただけたら是非一度当科に見学にきてください。そして共に汗水流して一緒に働きましょう!!

脳神経外科 レジデント 坂倉 悠哉

2020年より墨東病院に出向研修中坂倉 悠哉

脳神経外科 レジデント 坂倉 悠哉

YUYA SAKAKURA

当院では頭部外傷、血管内治療を中心に、脳腫瘍、脊椎脊髄疾患を含め幅広い手術を学ぶことができます。また当院は都内にある数少ない専門医研修基幹病院の一つで、関連病院はそれぞれ疾患毎の強みを持った都内でも名だたる病院です。専門医取得までのローテーションで多様な症例に対応できるようになります。また、脳神経外科は一般的に緊急が多く多忙な科ですが、働き方改革に積極的に取り組んでおり、実際に働きやすい環境です。学会参加は毎年必須であり、臨床研究も学ぶ土壌もあります。患者さんは外国人の方も多く、英語を使う機会も多いです。また、ベトナムへの短期での留学も行うことができ、海外の医療を学ぶ機会もあります。総じて後期研修として大変充実したプログラムであり、興味のある方は一度見学に来て頂けたらと思います。

最後に

以上、当科での研修システムについて詳細に述べましたが、再度、要約すると以下のようになります。
国立国際医療研究センター病院 脳神経外科は、初期、後期研修を希望される皆さんが十分な研修を行えるように、現在様々な努力をしています。卒後7年目で脳神経外科専門医試験を受験し、また専門医資格取得時には十分な実力を身につけていただきたいと思っています。
以下に当院での研修の特徴を挙げさせていただきます。

初期、後期研修の
カリキュラム
初期、後期研修を通して、脳神経外科医としての基本となる知識、技術を身につけることができるようカリキュラムを作成しております。脳血管障害、良性脳腫瘍、悪性脳腫瘍、外傷、脊椎脊髄疾患と、脳神経外科全般に幅広く対応できる脳神経外科医の育成を目指しております。詳細について知りたい方はご連絡ください。詳しくご説明いたします。
海外研修 当科は開発途上国への医療支援事業を長年継続しており、とくにベトナム社会主義共和国との交流を長く続けております。この事業の中で両国の若い医師の交換留学を毎年行っております。開発途上国という、日本や欧米とは違う環境への留学は当センターならではの研修と言えます。
他病院への研修 当院は脳神経外科学会専門医制度の基幹病院として専攻医研修を行っております。都立墨東病院やNTT東日本関東病院、北原国際病院といったしっかりとした教育ができる病院を連携病院としており、非常に充実した研修を受けることができます。また当センターはナショナルセンターとして国立成育医療研究センター、国立がん研究センターとのつながりを持ち、希望者に対してこれらの病院での研修を可能にしています。
休暇について

脳神経外科は一般に休む暇もないほど忙しく、過酷な職業であるというイメージがあるかもしれません。確かに救急患者が多く、緊急手術が手術の多くを占めているのは事実です。また、一日に入院や手術が重なることもあり、つらい時もあります。しかし、我々は、大変な科であるからこそ、休む時にはしっかりと休むべきであるという考えを持っています。年次に応じて1~3週間の有給休暇の取得、正月とGWの連休は均等に振り分けるということをしております。さらに、金曜の夜から土日については、当直チームに申し送りをすることで休みを確保できるよう、当番体制としています。当番にあたったときのチームは病棟と救急外来と両方をこなすため、大変ではありますが、その分休みのときには仕事から離れ、地方での学会や研修会に参加することもできるし、家族や友人と時間を過ごすこともできます。このような体制をとっているため、他のチームをカバーしあう姿勢もあり、家庭をもつ女性医師にも働きやすい環境ではないかと思います。

その他にも、改善するべきところはまだあると考えており、これからも研修環境、労働環境はできる限り改善していきたいと考えております。若い医師からの声を大切にし、環境をよりよくすることで、大変な仕事であるけれども、ストレスの少ない、やりがいのある職場にしたいと思っております。我々は若い力が、何よりも科の活力になると考えています。脳神経外科に興味のある方は、ぜひ我々と一緒に働き、ともに成長していければと思いますので、みなさんからのご連絡をお待ちしております。