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循環器内科
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循環器内科ご紹介

不整脈治療センターのご紹介

超高齢化社会を迎えている本邦では、心房細動をはじめとした不整脈疾患患者数が増加傾向にあります。不整脈に対する治療法は、経過観察でよいものから、疾患の緊急性や重症度を考慮した上で、薬物あるいは非薬物治療が必要となる場合があります。国立国際医療研究センター病院(以下、NCGM)の不整脈治療センターはおおきく2つの特色を兼ね備え、不整脈患者さんの治療にあたっています。

まず1つめとして、NCGMは国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター)唯一の総合病院である病院の特性上、様々な疾患を併存する患者さんが多く通院されています。 そのため、通り一辺倒の治療ではなく、それぞれの患者さんが持つ背景を考慮し薬物・非薬物治療のどのような治療法がベストであるかを他科の医師と協力・相談しながら治療にあたっています。例えば、外科的な治療が必要と判断されれば心臓血管外科の医師と相談しながら外科治療を優先させる事もあります。2つめの特徴として、NCGMは研究所を併設しています。不整脈疾患の中には、若年者に発症するような遺伝性不整脈もある為必要に応じて遺伝性不整脈の精査を研究所に依頼する事が可能であり、随時協力しながら診療にあたっています。

このように、NCGMの不整脈治療センターでは患者さん及び患者さんの家族の目線にたったテーラーメイドの不整脈診療を提供できるように心がけています。NCGMでは常勤の不整脈専門医がセンター長として治療を担当し、日本不整脈心電学会の不整脈専門医研修施設に認定されました(2024年4月から)。

不整脈治療センターの診療内容

様々な診断技術を駆使し、的確な不整脈診断を行えるように心がけておりその上で、患者さんの病状に応じて、薬物治療・非薬物治療の治療選択を行っています。 NCGMの不整脈治療センターでは、非薬物治療としてのカテーテルアブレーション治療、デバイス治療を臨床工学技師・看護師と協力しながらチーム医療で診療を行っています。カテーテルアブレーション治療では、特に近年患者数が増加している心房細動を中心に、良好な治療成績を得ています。(下図)

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デバイス治療では、病的に心拍数が低下した状態(洞不全症候群や房室ブロック等)に対して前胸部に植え込んだ本体から経静脈的に挿入したリード線を介して心臓を電気刺激する、経静脈的ペースメーカーの植え込みを行っています。また疾患や患者さんの背景に応じて、通常のリード線を必要とせず、心腔内に直接デバイスを植え込むリードレスペースメーカーの植え込みも行っています(下図)。さらに、突然死の原因になりうるような致死的不整脈(心室頻拍・心室細動)に対する植え込み型除細動器(ICD)移植術や心不全に対するデバイス治療である心臓再同期療法(CRT)も施行しています。デバイス治療を受けられた患者さんに対しては、遠隔モニタリングを積極的に導入し病状管理に役立てています。 (画像提供;日本メドトロニック)

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また、原因不明の失神(一時的に脳に十分な血液がめぐらなくなることにより意識を失う状態)や原因不明の脳梗塞に対しては植え込み型心電計(下図 ICM; Implantable Cardiac Monitor)移植術も行っています。

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アブレーション治療及びデバイス治療(新規・交換・ICD/CRT治療全てを含む)不整脈関連検査(Holter心電図検査)の診療実績

    2020年 2021年 2022年 2023年
カテーテルアブレーション 51件 69件 72件 129件
デバイス治療 84件 81件 83件 56件
Holter心電図治療 1059件 1090件 1081件 1050件