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痛みやしびれ

乳がんに対して手術、放射線治療、抗がん剤治療を受けた方のうち25~60%が、治療後もどこかに痛みを抱えているといわれています。

手術後

傷による痛みは数ヶ月で感じなくなることが多いのですが、鈍い痛みやピリピリした神経痛は数年以上続くこともあります。鎮痛剤が効くこともありますので、痛みが続く場合は医療スタッフにご相談ください。

放射線治療後

放射線を当てた部分がただれて痛みを感じることがありますが、このような皮膚のただれは治療が終了して3週間ほどすると回復します。下着などとの摩擦を避ける工夫をしたり、ゴシゴシ洗わず石けんの泡でやさしく洗うとよいでしょう。皮膚の炎症が気になる場合は、軟膏の処方も含めて医療スタッフにご相談ください。

抗がん剤治療後

タキサン系薬剤(パクリタキセル・ドセタキセル)の投与により、70%程度の方が手足のしびれを経験しています。しびれは時に痛みとして感じることもあります。治療が終了すると、ゆるやかに症状が軽くなってくることが多いといわれていますが、症状が強く出た場合には、改善するまでに数年かかる場合もあります。抗がん剤によって起こるしびれや痛みに対する、確立された予防や治療方法はありませんが、薬の処方について主治医に相談してみるのも選択肢です。また、散歩などの運動、手袋や靴下の着用で血流をよくすることが、しびれの悪化を防ぐかもしれません。

日常生活では以下のことにご注意ください。

  • 熱さを感じにくくなっているので、やけどに注意が必要です
  • 熱い鍋をつかむ時や湯たんぽを使用する時には気をつけましょう
  • 足のしびれが強いと転びやすくなりますので、脱げやすい靴を避け、滑りやすい場所には気をつけましょう
参考資料:J Clin Oncol. 2022; 38: 3325-3348.
日本がんサポーティブケア学会. がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き 2017年版