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びまん性肺疾患

びまん性肺疾患とは

「肺全体が広範囲にわたって同時に侵される病気」です。症状が重くなってくると労作時の息切れ(階段・坂道での息切れ)、咳、時に熱などもみられますが、無症状であっても放置しておくと健康を大きく損なうこともあります。

びまん性肺疾患の治療

炎症性疾患から感染症、時には腫瘍性疾患まで多彩な肺疾患を含んでおり、その中でどんな病気なのかの診断をつけること、そしてその結果に応じた適切な治療法を選択することが重要です。

間質性肺炎

びまん性肺疾患の中では、特に肺の間質が侵される間質性肺炎が代表と言えるでしょう。肺の間質とは、肺胞腔内ではなく、肺の支持組織、つまり肺胞隔壁や血管やリンパ管や線維などを指しますが、ここが炎症で腫れたりむくんだりするのが間質性肺炎で、肺の収縮力や酸素吸収力が弱くなってしまいます。

その結果、酸欠状態になりやすくなり、運動時に息切れが出るようになります。病気が進行すれば、咳に加えて息切れがひどくなり、時には生命にかかわる状態にまで悪化することがあります。

基本的には緩徐に進行する病気ですが、感冒(ウイルス感染)などを契機として急激に病状が悪化する場合があり、これを急性増悪と呼んでいます。間質性肺炎の急性増悪は死亡率がとても高く、世界的にも問題視されてきています。

当科では、ステロイドホルモンに代表される抗炎症治療に留まらず、抗線維化治療や抗凝固療法、血液浄化療法など、最新の治療をご提供することで、この致死的な病態に対応し、良好な成績をあげています。

診療実績

びまん性肺疾患(平成25年度160名):特発性間質性肺炎、膠原病肺、(急性・慢性)過敏性肺炎、好酸球性肺炎、薬剤性肺炎、サルコイドーシス、塵肺、ニューモシスチス肺炎、ARDS(成人呼吸窮迫症候群)、肺胞出血などのびまん性肺疾患に対して、HRCT、PET、気管支肺胞洗浄、経気管支あるいは外科的肺生検を実施し、正確な診断とそれに応じた適切な治療を実践しています。ステロイドや免疫抑制剤による抗炎症治療、抗線維化薬(ピルフェニドン)治療など、病態に応じた治療を行います。

ARDSや、間質性肺炎の急性増悪への治療

ARDSや、間質性肺炎の急性増悪には、ステロイドパルス療法など従来の治療に留まらず、抗凝固療法、血液浄化療法(PMX-DHP療法)など、最新の治療をご提供することで、この致死的な病態に対応し、良好な成績をあげています。

その他の治療

また、右心不全や肺高血圧などの合併症にも、細心な対応と適切な治療をご提供しています。

さらに、他の診療科との連携も積極的に行っており、たとえば深い知識と豊富な経験を有したリハビリテーション科のスタッフとの連携で、呼吸筋力や下肢筋力の包括的リハビリテーションを御提供するなど、患者さんが社会生活に復帰するためのお手伝いに力を入れています。